WS21
日本行動療法学会 第35回研修会

WS21
タイトル:
アセスメントから介入へのケースフォーミュレーション
講師:
松見淳子

所属:
関西学院大学文学部

対象:
初級~中級

定員:
150名


概要
 ワークショップの目的は、どの事例にも適用できる、通例的、一般的な機能的アセスメント方法によるケースの組み立て方を研修していただくことです。
 今日、認知行動療法が実証を重視する心理療法であることは、豊富なエビデンスベイスト心理療法に関する文献を見ると明らかです。数多くの治療者マニュアルが開発され、臨床現場でも明確な実践基準が設けられるようになりました。定式化された治療者マニュアルを使いこなすためには、個々のクライエントの問題について詳細なアセスメントが必要です。事例の個別性を重視し、一人ひとりのクライエントの問題行動を定め、それに対する機能的アセスメントを行うことが介入の効果を高めることになります。
このワークショップでは、どのようにアセスメントで得られた情報に基づいて介入計画を組みたて、クライエントとの協働作業を具体的に実践できるか、という心理臨床活動における中心的な課題について実践的な研修を行います。臨床家は事例の「見通し」をつけ、直面するクライエントの言動、あるいは間接的に得られたさまざまな情報にもとづき、仮説を立てその検証を介入で行います。この全過程を明確化することにより、アセスメントに直結した介入計画を立て、経過をモニターし、そして結果を評価することができます。

概要: ケースフォーミュレーションのための手続きと介入(5&6は追加項目)
1.行動的面接:機能的アセスメントにおける最初のデータ収集
   (1)主訴の明確化(2)問題の経緯(3)問題行動の形態
   (4)行動の観察測度の検討(5)問題の生起状況(6)問題行動の結果
   (7)周囲の反応(8)クライエントの対応法
   (9)クライエントの人的、社会的資源
2.行動観察に基づく仮説生成:機能的アセスメントにおける「機能」の検討
   (1)問題行動の生起と維持に関わるABC三項随伴性の原理
   (2)問題行動の機能を探る
   (3)問題行動と環境との相互作用
3.介入方法の選択
   エビデンスベイストの技法
4.介入による仮説検証と仮説修正
5.経過のモニタリングおよび結果の評価
6.一般化、維持、フォローアップへの配慮
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